日本犯罪史に残るダークヒーローを生みだし、日本全土を震撼させた「三億円事件」。本作はそれから34年後を舞台に、多くの闇に包まれたこの世紀の大事件のタブーに挑み、命がけでその真相に迫っていく2人の刑事の姿を描く。
若手実力俳優として知名度を高めている渡辺大が、野心溢れる新米刑事を力強く演じている。一方、俳優としても映画監督としても国内外から高い評価を得るベテランの奥田瑛二が孤高の老刑事を好演。「実は25年前、彼(渡辺)が小学生のころに一度会っているんですよね。親父(渡辺謙)に連れられて撮影の現場に来ていて、その頃から目力が強く『良い俳優になるんじゃないか?』なんて思っていたけど、25年経って親父そっくりのキリッとした面構えになっていたから驚きましたよ。」と奥田。「僧侶役の格好をされていたので、子どものころは、『お坊さんみたいな人だなぁ~』って思っていたんですが(笑)、大人になって改めてお会いすると、(奥田の)その佇まいとオーラに一瞬飲みこまれそうになりした。」と渡辺。「でも実は、この撮影現場では『理屈が立つ奴だなぁ~』って思ったんだよ(笑)。でも、今の若い奴には理屈が立つ良い役者が少ないから、真摯な気持ちで演技に打ち込む君(渡辺)の姿を見て、安心して見ていられたのも事実だね。」と渡辺を評価する奥田。そもそも奥田は、クランクイン前から、「渡辺大が将来本物の役者になれるように、育てる!」と監督に伝えていたらしい。会見でも「君(渡辺)が、役者としてどんな球を投げてこようと、すべて受け止めるつもりだった」と語った。それに対し渡辺も「奥田さんは終始役になりきっていて、現場ではほとんど私語をされませんでしたが、常にその俳優魂は肌で感じていました。これからの役者人生に向けて良い悩みをもらいましたね。」と感謝の言葉で綴った。
物語も、まさに奥田と渡辺のように、言葉少なくも信頼関係で結ばれていく二人の刑事の掛け合いが一番の見どころだ。メガホンを取ったのは『女囚 さそり』シリーズの生みの親として知られる鬼才・伊藤俊也監督。さらに夏八木勲、原田芳雄、武田真治、かたせ梨乃、宅麻伸など実力派俳優が脇を固め、質実剛健な刑事サスペンスに仕上がった。
(ストーリー)
隅田川で絞殺死体が発見された事件をきっかけに、コンビを組むことになった若手刑事の片桐(渡辺)と定年間近のベテラン刑事・滝口(奥田)。滝口は自ら捜査メンバーへの名乗りを上げたにも関わらず、上層部を無視して独自の捜査を開始する。その態度に苛立つ片桐だったが、その絞殺死体が三億円強奪事件の最重要人物のひとりで、滝口が当時三億円事件の捜査担当だったと聞かされ、彼の捜査方針に従い始める。しかし捜査を進めるに連れ、意外な組織からの妨害がふたりを襲う。
(データ)
['10・日・118分]
(原)永瀬隼介
(監)(脚)伊藤俊也
(出)渡辺大/奥田瑛二/川村ゆきえ/武田真治/かたせ梨乃/宅麻伸




