東京国際映画祭2009「日本映画・ある視点部門」作品賞を受賞した話題作が、4月3日(土)KBCシネマにて公開される。'09年元旦、初詣で賑わう武蔵野八幡宮から、吉祥寺の街を通って井の頭公園まで、ギターを抱えたひとりの男が歌い歩く。シチュエーションはただのPVと変わらないが、何が観る者を惹きつけるのか、74分間目が離せない。その魅力について松江監督と主演の前野健太に聞いた。
―本作を撮ろうと思ったきっかけは?
監督:'08年当時、身近な人が亡くなったこともあり、安易な死の見せ方をする映画よりも、音楽の方に関心があったんです。それで、『デトロイト・メタル・シティ』のメイキングでご一緒してから「この人を撮りたい」と思っていたミュージシャン・前野さんに依頼したんです。知り合って半年も経ってないんですが、前野さんとは作品の作り方が似てるなと思ってました。いまどき同世代でこんなことしてる人がいるんだなって。自分の主観で、自分をさらけ出して作っていくという。僕たちより上の世代にはたくさんいると思いますが。
―普通の音楽映画やPVに似ているようで、まったく違う作品ですね。
監督:前野さんの歌には物語があって、人を呼び込むような魅力がありますが、ただ前野さんの魅力を観てほしい、ということで作ったわけではありません。
前野:僕は何もやってません。映画は74分の間に、僕の手を離れ、そして監督の手からも離れていってます。
監督:そうですね、ラストも非常にいいシーンになりましたが、あれは僕の指示ではなくて、カメラマンの近藤さんが、前野さんの歌を解釈してああいう映像を撮ったんですよ。
前野:ただ、企画やスタッフ集め、構成など、そのラストシーンまで持っていったのはやはり監督ですよね。
―本作が高い評価を受けたのはなぜだと思いますか?
監督:前野さんのPVでもなく、僕が自分をむき出しにした個人的な映画でもありません。そのどちらよりも大きな作品になったと思います。作品のコアの部分には"自分"が入っていると思いますが、それをスタッフが大きく広げてくれたんです。
前野:でき上がった作品を観たとき「誰のための映画だったのか」ということを考えました。その答えは「観る人それぞれのため」だと僕は思います。それぞれが、自分のこととして向き合える映画だと思うんです。
監督:みんな一律に共感してもらうような作品ではなく、前野さんのライブのように、お客さんそれぞれが作り、共有していくような作品になったのではないでしょうか。
['09・日・74分]監督:松江哲明 出演:前野健太/DAVID BOWIEたち/長澤つぐみ
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☆★イベント情報★☆
『ライブテープ』公開記念「めずらしき映画特集~男の生きざま編~」
松江監督の『童貞。をプロデュース』『あんにょんキムチ』『あんにょん由美香』、活弁映画監督・山田広野の『バサラ人間』を特集上映。スケジュールその他は問合せを。
期日:4月3日(土)~7日(水)
会場:西鉄ホール
料金:1500(1作品)
問合せ:FREE WAVE TENJIN FM 西鉄ホール事業部(092-734-1370)





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