Cinema: 2010年7月アーカイブ

2010年7月アーカイブ

変換 ~ ロストクライム会見2.jpg日本犯罪史に残るダークヒーローを生みだし、日本全土を震撼させた「三億円事件」。本作はそれから34年後を舞台に、多くの闇に包まれたこの世紀の大事件のタブーに挑み、命がけでその真相に迫っていく2人の刑事の姿を描く。

若手実力俳優として知名度を高めている渡辺大が、野心溢れる新米刑事を力強く演じている。一方、俳優としても映画監督としても国内外から高い評価を得るベテランの奥田瑛二が孤高の老刑事を好演。「実は25年前、彼(渡辺)が小学生のころに一度会っているんですよね。親父(渡辺謙)に連れられて撮影の現場に来ていて、その頃から目力が強く『良い俳優になるんじゃないか?』なんて思っていたけど、25年経って親父そっくりのキリッとした面構えになっていたから驚きましたよ。」と奥田。「僧侶役の格好をされていたので、子どものころは、『お坊さんみたいな人だなぁ~』って思っていたんですが(笑)、大人になって改めてお会いすると、(奥田の)その佇まいとオーラに一瞬飲みこまれそうになりした。」と渡辺。「でも実は、この撮影現場では『理屈が立つ奴だなぁ~』って思ったんだよ(笑)。でも、今の若い奴には理屈が立つ良い役者が少ないから、真摯な気持ちで演技に打ち込む君(渡辺)の姿を見て、安心して見ていられたのも事実だね。」と渡辺を評価する奥田。そもそも奥田は、クランクイン前から、「渡辺大が将来本物の役者になれるように、育てる!」と監督に伝えていたらしい。会見でも「君(渡辺)が、役者としてどんな球を投げてこようと、すべて受け止めるつもりだった」と語った。それに対し渡辺も「奥田さんは終始役になりきっていて、現場ではほとんど私語をされませんでしたが、常にその俳優魂は肌で感じていました。これからの役者人生に向けて良い悩みをもらいましたね。」と感謝の言葉で綴った。

物語も、まさに奥田と渡辺のように、言葉少なくも信頼関係で結ばれていく二人の刑事の掛け合いが一番の見どころだ。メガホンを取ったのは『女囚 さそり』シリーズの生みの親として知られる鬼才・伊藤俊也監督。さらに夏八木勲、原田芳雄、武田真治、かたせ梨乃、宅麻伸など実力派俳優が脇を固め、質実剛健な刑事サスペンスに仕上がった。

 

(ストーリー)

隅田川で絞殺死体が発見された事件をきっかけに、コンビを組むことになった若手刑事の片桐(渡辺)と定年間近のベテラン刑事・滝口(奥田)。滝口は自ら捜査メンバーへの名乗りを上げたにも関わらず、上層部を無視して独自の捜査を開始する。その態度に苛立つ片桐だったが、その絞殺死体が三億円強奪事件の最重要人物のひとりで、滝口が当時三億円事件の捜査担当だったと聞かされ、彼の捜査方針に従い始める。しかし捜査を進めるに連れ、意外な組織からの妨害がふたりを襲う。

 

(データ)

'10・日・118分]

(原)永瀬隼介

(監)(脚)伊藤俊也

(出)渡辺大/奥田瑛二/川村ゆきえ/武田真治/かたせ梨乃/宅麻伸

 

変換 ~ 海南友子監督会見時写真.jpg地球温暖化に伴う気候変動によって近い未来に水没するかもしれない、南太平洋のツバル、イタリアのベネチア、アラスカのシシマレフ島。そこには長年育まれてきた歴史や伝統工芸、食文化、祭りなどがあり、人々の普通の暮らしがある。「私たちにできることは、まず知ること」と、ドキュメンタリー作家の海南(かな)友子は、3年にも渡る取材撮影を行ない、3つの美しい島のリアルを映しだした。それがこの『Beautiful Islands~ビューティフル アイランズ~』だ。

「以前取材で訪れたパタゴニアで、雄大にそびえていた氷河が次の瞬間にあっという間に消える姿を目の当たりにしたんです。TVで見たことがある光景だったんですが、実際に目の前で自分と足元で繋がっているものがもろくも崩れ去ったとき、その恐怖の生々しさに震えあがりました。いずれは私たちが住む町にも同じようなことが起こるかもしれないと強く感じたんです。」と、その体験が本作の製作するきっかけになったのだと語ってくれた。「気候変動は決して他人事ではなく、世界中の全員に関係がある問題だということを強く訴えかけたかったので、それぞれの大陸の異なる文化を持つ島を取り上げようと思いました。結果、製作に3年が掛かり、しかも地球を3周もしちゃいましたけどね(笑)」。

本作では島のあるべき姿をリアルに感じてもらえるように、あえてナレーションやBGMを使われていない。さらに、映されているものが"映像の向こうの他人事"にならないように、余計な演出はせず、カットもたくさん割わらないようにし、観客があたかもその場にいるかのような雰囲気になれるように工夫したのだという。「生活の音や自然の音、そこに暮らす人々の生きた声に耳を澄ましてもらいたかったんです。そして、ハプニングではなく、人々の日常生活をありのままに映しだすことで、『こんな素敵な人々の生活が失われていくんだ』という儚さを伝えたいと思いました。本作をご覧いただける方々にお願いしたいことは、情報を頭で受け止めるのではなく心で受け止めてほしいですね。そしてそれが、ささやかでも何かのアクションを生み出してくれると信じています。」

 

'09年・日・106分]

(監督・プロデューサー・編集)海南友子

(撮影)南幸男

(エグゼクティブプロデューサー)是枝裕和

 

717日(土)よりKBCシネマ12にて公開

 

 

CHECK!!

iPhoneアプリ 水没カメラ!?

「あなたの住む町が水没してしまったら!?」という発想をきっかけに生まれたiPhoneアプリが、劇場公開に合わせて登場!例えばiPhoneで、自分が残したい大切な風景を撮ると、実際に水没してしまったかのような写真に仕上がるのだ。楽しみながらも、リアルなシュミレーションができるので、"失われていくものの怖さ"に気付かせてくれるハズだ!

詳しくは公式サイトwww.beautiful-itv

 

CHECK2!!

『海南監督がアップルストアに登場!』

724日(土)17001800、西通りのアップルストアにて海南友子監督のトークショーが開催される。『ビューティフル アイランズ』の予告編上映や、上記した『水没カメラ』の紹介などが行なわれる。

 

会場:Apple Store, Fukuoka Tenjin(福岡県福岡市中央区天神2-3-24天神ルーチェ) TEL:092-736-6800

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