11月8日(土)、ソラリアシネマで公開される映画『七夜待』。
『殯の森』でカンヌ国際映画祭グランプリを獲得した河瀨監督が、タイを舞台に長谷川京子主演で描く最新作だ。
独特の撮影方法で挑んだ監督の"トライ"が生み出したものとは!?
―本作でどんなトライを?
『殯の森』、『萌の朱雀』は、自分が知っている場所で、そこをしっかりと掘り下げていこう、という作品でした。
でもこの作品は、"範囲を広げていこう"ということで、海外ロケで、キャストとスタッフも海外の人たち、脚本
も作家の狗飼恭子さんと共同で書きました。そして長谷川さんとのコラボレーションというのもトライのひとつだ
ったのかな、と思います。
―長谷川さんを起用した理由は?
プロデューサーからの紹介で、初めて長谷川さんに会った時の、素の部分に魅力を感じたんです。期待したとおり、
30歳の女性を等身大で表現してくれました。
―撮影方法も独特ですよね。
はい、キャストには脚本を渡さず、その日やることだけを指示していきました。だから素の、リアルなやり取りが
撮れたと思います。あと、彩子はなぜタイに来たのかとか、なぜそこにフランス人がいるのかとか、いろいろなこ
とに理由付けをしないのもこの作品の特徴です。そういう部分は観る方に想像していただければと思います。
―観ていて自分がタイに飛び込んだような感覚になりました。
私自身もタイ語はわからないので、同時通訳はしてもらってましたが、正確なところは撮影後に知るような状況で
した。言葉が通じないことによって意思の疎通ができない人々が、だんだんわかり合っていく感じや、何もわから
ないところに投げ出された人々が、何かを知ろうとする過程を、今の日本の人たちに観てほしいという想いがあり
ました。
―最後に、見どころを教えてください。
中心にあるのは、心身の滞りを流すタイの古式マッサージですね。マッサージに着目したのは、自分がやって気持
よかったというのが一番の理由です(笑)。特に"滞りを流す"という考え方が気に入りました。別の楽しみや快
適さを持ってきても、身体や心に滞っているものがあると、それを本当に楽しむことはできないと思うんですよね。
この映画は特に30代女性に観てほしいのですが、リアルな彩子に自分を投影して、マッサージを受けるような感
覚で観ていただきたいです。
<STORY>30歳を迎えた彩子は、独りタイにやって来る。言葉も通じない異国の地で乗り込んだタクシーは、な
ぜかホテルではなく人気のない山道に入っていき、危険を感じた彩子は車から飛び出して夢中で森の中を走り続け
た。そこで花を摘んでいたフランス人・グレッグを発見した彩子は、彼に助けを求め、連れられるまま一軒の民家
で七つの夜を過ごすことに...。古式マッサージや出家僧など、タイの文化や人々に触れたひとりの女性が経験する、
癒しと新たな出会いの物語。




